スタッフブログ
2025年06月10日

南へ東へ①

みなさんおはこんばんにちは

木楽舎代表の安東です

 

ついに大分も梅雨入りしましたね

 

別の言い方で「入梅(にゅうばい)」とありますが

こちらは暦の上で6月11日あたりのことを

指すようです

 

梅の実が熟すころと

長い雨の時期に入る頃が重なり

田植えの目安として大切にされてきた日取りです

 

とはいえ南北に長い日本は

梅雨入りが地域によってかなり違います

 

更には沖縄あたりでは

これからが稲刈りのシーズンとの事

 

同じ日本なのに

少し場所を変えると

その暮らしぶりや住まいは

変わってきます

 

だからこそ地域の気候風土に合わせて

心地よく暮らす設計の術が

とても大切なのだと思い直します

 

というわけで(?)ここ一カ月は

大分を離れて南や東へ足を伸ばし

設計修行(?)の旅に

行脚していました

 

まず5月半ばに訪れましたのは

鹿児島県鹿児島市です

 

 

ご存知の方もおられると思いますが

「日本一の工務店」として名高い

株式会社シンケン

 

私もこの業界に入って間もなく

視察ツアーに参加して

よく分からないなりに

「なんだかスゴイ会社だなぁ~」と

感じてはいました

 

それから度々チェックするにつけ

そのスゴさの輪郭がハッキリとなった今日この頃

 

「あのシンケンが設計の研修を開催する」

そんな案内が手元に届き

間髪入れずに申し込んだというわけです

 

ちなみに今回は

事前に課題設計の提出が課せられていました

 

↓はその敷地資料の一部です

丘の上に造られた造成地

 

その一番端っこに残された変形した土地に

ご夫婦のための住まいを設計するという内容

 

各設計案は事前に回覧されて

十数名のうち5名をプレゼンターに

選ぶという・・・

ある意味でコンペ方式でした

 

GWも必死で設計に取り組み

息も絶え絶えに提出したのがコチラ↓

 

【1階・配置図】

【2階/ロフト】

ただでさえ景色が良いところに

さらに思い切って

2階LDKを提案してみました

 

家庭菜園をしたいという要望に応えるため

1階の水回りに畑からすぐに入れたり

 

収穫物を持って外階段を上り

キッチンへ持ち込めるようになっていたり

 

北と南のお隣りさんへ配慮して

建物をちょうど良い距離に置いたり

樹木などで目隠ししたり・・・

 

簡単に言えば

頑張って考えました(笑)

 

全国から猛者が集まる手前

まさか選ばれることはなかろうと

高を括っていたら

そのまさかが起こってしまい(笑)

ド緊張の中でプレゼンを行いました

 

プランの良し悪しについても

もちろん指摘はありましたが

何よりも衝撃的だったのは

課題の地に建つ実際のお家を

見学に行ったことです

 

課題地に建つのは

シンケンのスタッフさんが

実際に暮らすお家です

 

丘の隅に向かって↑のように

カウンター付きのウッドデッキが

設けられています

 

まず驚くべきは

このカウンターが高さ70cmに

満たないということ

 

大人のみの世帯とはいえ

落下防止のためには

90cm以上の手すりが欲しいと

反射的に考えるのが設計者の性(さが)

 

しかしこのカウンターは

手前に張り出す形であるため

よほど身を乗り出そうとしなければ

落ちる心配を感じません

 

シンケンの建物にはこのような

一見すると非常識だけど

よく考えればとても合理的

という工夫が無数に

散りばめられています

 

【普通は隠すけれど】

柱や間柱をむき出しにすると

そこが収納に使える上に

空間が広くなります

 

【普通は壁にするけれど】

内と外からの視線を検討し

緑をいっぱい取り込むようにすると

キッチンが一番楽しい場所になります

 

大きく立派なレンジフードも

実は必要ないのかもしれません

 

【普通は高くしがちだけど】

天井高をグ~ッと低くすると

窓で切り取られる風景が際立って

視線の抜けが良くなります

 

階段の上り下りもラクになりますし

 

【普通は広くしたくなるけれど】

おこもり感がなんとも嬉しい

小さなリビングスペース

 

畳数にするとわずか3畳ほど

しかし無限の広がりを感じます

 

広さは必ずしも

数字に比例しないのです

 

【普通は1階に置くけれど】

このお家の洗面所とトイレは

まさかの2階に設けられています

 

しかしよく考えれば

寝室が2階にあるのなら

2階に水回りがあるのは

とても楽なことです

 

鏡さえないことに驚きますが

鏡を見て何かをすることが

どれくらいの頻度で必要なのでしょう・・・?

 

・・・・・・

 

という具合に

目からウロコの連続の見学となりました

 

常識を疑いながら

心地よい暮らしに本当に必要なことだけを

積み重ねる設計と施工、お庭づくり

 

言葉にすれば簡単ですが

それを磨き続けることが

なんと難しい事か・・・

 

3日間の研修で

シンケンが大切にしている「虎の巻」を

それはもう無数に伝授してもらいました

 

規模やスタイルこそ違えど

木楽舎もこの大分の地にふさわしい

心地よく風景に馴染む住まいを

磨き続けていきたいと

意を新たにしているところです

 

シンケンの皆様

本当にありがとうございました!

 


【お知らせ】

6月22日(日)-モデルハウス自由見学会

 

一時、住まい手さんの候補が決まっていましたが

ご事情によりキャンセルとなったため

再度募っています

 

ご興味のある方は是非お越しを~◎